糖尿病の合併症
糖尿病の合併症
目の網膜を通る毛細血管がダメージを受け、視力の低下や最終的に失明する可能性があるのが糖尿病網膜症です。治療は血糖のコントロールを専門の医師の基で行いながら、眼科医から網膜症の検査・治療を受けるのが一般的です。
糖尿網膜症は初期の「単純性網膜症」・失明の原因となる血管の増殖が始まる「増殖前網膜症」・増殖と出血を繰り返し最終的に失明にまで至る「増殖網膜症」の3段階に分類されます。目に関係する糖尿病の合併症はこれだけでなく、黄斑と呼ばれるむくみが発生する「糖尿病黄斑浮腫」が存在します。視力の低下に直結するため、目の違和感には細心の注意を払いましょう。
腎臓は細い血管が多く存在し、血液を濾過し老廃物の排泄・血圧の調整などを行う重要な臓器です。糖尿病により血管が詰まる・破れると腎機能が低下し、糖尿病性腎症を発症することがあります。
進行するとむくみ・高血圧などを伴うだけでなく、最終的に人工透析が必要となります。透析を受ける患者の約4割が糖尿病性腎症であることが、統計によって分かってきました。腎機能は尿検査と血液検査で確認できるため、糖尿病のある方は定期的に検査を受け腎機能を確認しておきましょう。
糖尿病は神経にも悪影響を及ぼします。高血糖が持続した場合に特に悪影響を及ぼすのは知覚・自律神経の2種類です。現れる症状として考えられる症状は以下の通りです。
1.知覚神経が障害され痛みが鈍くなる・強い痛みを感じるようになる
2.自律神経が障害され立ちくらみ・発汗などが起きるようになる
知覚神経の障害によって痛みを正確に感じられない場合、病気の初期症状に気づきにくくなるリスクが高まり危険です。自律神経の障害は生活の質(QOL: Quality of Life)を大きく損なう危険性があります。各種神経障害を防ぐために良好に血糖値をマネジメントしましょう。
また、糖尿病の合併症は上記3つ以外にもあります。狭心症・心筋梗塞などの大血管合併症もその1つです。大血管合併症は心臓・脳を始めとした太い血管に動脈硬化が起こる合併症です。心臓の動脈硬化は狭心症・心筋梗塞に繋がり、脳の血管に起きれば脳卒中・脳梗塞に繋がります。
また近年の研究では、がんも引き起こされると言われています。特に大腸・肝臓・膵臓がんなどのリスクが上昇します。
認知症も合併症によって引き起こされることがあります。糖尿病は血管に悪影響を与え、脳へ血液が十分に行き渡らなくなり、脳組織にダメージが入る血管性認知症があります。血管性認知症だけでなく、認知症の代表例である、アルツハイマー型認知症の発症も高まると指摘されています。
その他にも歯周病や動脈硬化が進行することで足先に血液が十分に行き渡らなくなり、最終的に皮膚・筋肉・骨の組織が死んでしまう壊疽も糖尿病によって引き起こされる合併症と言われています。