甲状腺の役割|はっとりクリニック知立|糖尿病・甲状腺・内科|早朝・土曜診療

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甲状腺の役割

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甲状腺の役割

甲状腺は首の前側にある、蝶の形をした小さな臓器です。
ここから分泌される「甲状腺ホルモン」は体の代謝をコントロールする重要な働きを担っています。
そのため、甲状腺ホルモンが不足したり過剰になったりすると、全身に様々な影響が及びます。

甲状腺機能は、通常の健康診断では測定されない項目です。
そのため、医師の触診で甲状腺の腫れ(甲状腺腫大)を指摘されて初めて気づくケースも少なくありません。
また甲状腺機能の異常は、男性よりも女性に多くみられ、不妊や不育の原因となることもあります。
気になる症状がある場合は、専門医による検査と治療を受けることが大切です。

甲状腺機能を評価する際には、血液検査甲状腺刺激ホルモン(TSH)甲状腺ホルモン(FT3・FT4)を測定します。
TSHは脳(下垂体)から作られており、その名のとおり甲状腺を刺激して「ホルモンを作りなさい」と指示を出す“司令塔”の役割を持ちます。
脳は体内の甲状腺ホルモンの量を常に監視しており、甲状腺ホルモンが不足しているとTSHを増やして甲状腺を刺激し、
反対に甲状腺ホルモンが過剰なときはTSHを減らして生産を抑えます。
この仕組みをフィードバック機構といいます。

何らかの理由で甲状腺がダメージを受けてホルモンを作れなくなった状態を 原発性甲状腺機能低下症(例:橋本病)といいます(①)。
一方で、TSHとは無関係に甲状腺が過剰にホルモンを作ってしまう状態を 原発性甲状腺機能亢進症(例:バセドウ病)といいます(②)。
また、甲状腺が壊れることでホルモンが血液中に漏れ出し、一時的にホルモンが多くなる状態を 甲状腺中毒症 と呼びます(②)。

まれに、脳(下垂体)側の異常によりTSHの分泌がうまくいかず、甲状腺機能が低下または亢進することがあります(③・④)。

さらに、過度なダイエットや低栄養など甲状腺以外の原因によって、見かけ上ホルモン異常のように見えることもあります(⑤)。

このように、甲状腺ホルモンの異常の背景にはさまざまな原因があるため、専門医による丁寧な評価と診断が重要です。

疾患 TSH FT4・FT3 説明
① 原発性甲状腺機能低下症(橋本病など) ⬆ 高値 ⬇ 低値 甲状腺がホルモンを出せず、TSHが代償的に上昇する
② 甲状腺中毒症/原発性甲状腺機能亢進症(バセドウ病など) ⬇ 低値 ⬆ 高値 甲状腺ホルモンが過剰となり、TSHが抑制される
③ 中枢性甲状腺機能低下症(下垂体機能低下症など) ⬇ 低値〜正常 ⬇ 低値 TSHが出せず、甲状腺が刺激されない
④ 中枢性甲状腺機能亢進症(TSH産生腫瘍/甲状腺ホルモン不応症など) ⬆ 高値〜正常 ⬆ 高値 TSHが過剰に分泌される
⑤ Low T3症候群 正常 FT3がやや低値 過度なダイエットや低栄養による一時的な変化。甲状腺疾患ではない