甲状腺機能低下症|はっとりクリニック知立|糖尿病・甲状腺・内科|早朝・土曜診療

〒472-0053
愛知県知立市南新地1丁目1−5
0566-93-8500
Instagram
ヘッダー画像

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症|はっとりクリニック知立|糖尿病・甲状腺・内科|早朝・土曜診療

<甲状腺機能低下症とは>

甲状腺機能亢進症とは反対に甲状腺ホルモンが不足することで起こる病態です。
甲状腺とは、身体の代謝機能を司る器官であるため甲状腺ホルモンが不足することで体の
エネルギー産生、体温維持、心拍数調整などの全身の代謝機能が低下します。
◎主な症状
首の腫れ、飲み込みにくさ、声のかすれ、全身のだるさ、疲労感、強い眠気、むくみ、寒がり、冷え性、体重増加、皮膚の乾燥、髪の毛の薄毛・乾燥、便秘、声のかすれ気分の落ち込み、うつ症状、記憶力低下、集中力低下、徐脈(脈拍が遅くなる)など
◎原因
・原発性甲状腺機能低下症
原因として最も多いのが橋本病(慢性甲状腺炎)です。免疫疾患の一種で、自己抗体が甲状腺を攻撃することで甲状腺ホルモンが作られにくくなります。
また、昆布やわかめなどの海藻類に多く含まれるヨウ素(ヨード)によって甲状腺ホルモンの産生量が影響されることがあります。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成に必要な栄養素ですが、過剰に摂取しすぎたりすると甲状腺機能亢進症に傾き、逆に不足しすぎてもホルモンの産生量が減少します。
ダイエットや健康目的などで昆布やわかめなどの海藻類を多く摂取する人では、一時的に甲状腺ホルモンが過剰となったり不足したりする可能性もありますので食べ過ぎないことがよいでしょう。
他にも甲状腺の一部または全部を切除したり、放射線治療を受けたりした場合に甲状腺ホルモンが不足することがあります。

・潜在性甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモン(FT3、FT4)は正常であり自覚症状もほとんどないですが、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が軽度高値にある状態です。
そのためひとまず経過観察とされることが多いですが、後に#1高コレステロール血症や心機能低下・骨折のリスクがあがることがありますので定期的に確認することが大切です。
#1 日本内分泌学会HP:https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=39

・中枢性甲状腺機能低下症:
甲状腺にホルモンを作るように指令を出す脳の下垂体や視床下部の機能が低下することで甲状腺機能低下症が起こります。
脳腫瘍や脳出血などが原因となることがあります。

・先天性甲状腺機能低下症(クレチン症):
生まれつき甲状腺ホルモンが不足している状態にあることで起こります。

◎治療
甲状腺機能低下症の治療の基本は、不足している甲状腺ホルモンを薬で補充することです。
血液中のホルモン値を測定しながら、適切な量を調整していきます。多くの場合、生涯にわたって内服を続ける必要があります。

自身でできる取り組みとしてはヨウ素摂取の制限です。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成に必要な栄養素ではありますが、過剰摂取は甲状腺ホルモンに影響するため昆布をはじめとする海藻類などの摂取を制限することがあります。
甲状腺機能低下症は、自覚症状がゆっくりと現れるため見逃されやすい病気です。
しかし、早めに見つけ適切な治療によって健康的な生活を送ることができます。
もし、上記のような症状に心当たりがある場合は、当院までご相談ください。

<甲状腺の検査>
主に血液検査と超音波検査(エコー)を行います。
血液検査では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)と甲状腺ホルモン(FT3、FT4)を測定し甲状腺ホルモンのバランスを把握し自己抗体と合わせて確定診断となります。
自己抗体は外部の検査会社に提出するため別日に結果説明を行いますが、甲状腺ホルモンは当日結果説明が可能です。